入社時に1年後の昇格と昇給を約束

私は、東京証券取引所に株式上場しているIT企業に総務課長として入社しました。転職活動をしているときは、まだ私は別の会社に在籍したままで、人材紹介エージェントを通じて、転職活動を行いました。転職活動を行うにあたっては、人材紹介エージェントに自分の希望条件をあらかじめ話すわけですが、自分は年齢が30代後半でこれまでも課長職の経験がありましたので、そのときの年俸600万円を上回る水準の年俸700万円を希望年収額として人材紹介エージェントに話しました。この応募の段階では、人材紹介エージェントは私の希望条件を聞いておくというスタンスでした。

そして、IT系の上場企業に総務課長職として応募し、書類選考を通過して、1次面接に臨みました。面接官は総務部長でした。1次面接では入社した場合の希望条件については話題に出ませんでした。そして、1次面接を突破して、最終面接に進むことができました。最終面接の面接官は、社長と会長でした。二人は親子でした。私は、事前にこの会社のオーナー会長と社長のメッセージなどを読み込んで面接に臨みました。比較的、雰囲気良く面接を終えることができて、その日を終えました。

5日後、人材紹介エージェントから電話連絡があり、採用内定通知が出たと連絡がきました。しかし、入社条件については確定しておらず、IT企業からはもう一度、私に来社してもらい直接条件を詰めたいとのことでした。人材紹介エージェントからは、「直接交渉してもらって結構です」と言われましたので、私は直接先方へ出向いて条件交渉をすることにしました。

先方は上司となる総務部長が対応してきました。入社条件について、私は年俸700万円を希望しました。すると総務部長からは、「キミの700万円という希望金額はエージェントから聞いている。しかし、700万円では、ウチの給与テーブルに当てはまらない。」と言われました。そして、「キミの年齢と課長という役職を、ウチの給与テーブルに当てはめると650万円となる。最初は650万円でスタートしないか?」と打診されました。

私はかなり悩みました。しかし、簡単に妥協するわけにはいきません。そこで、どうすれば700万円に引き上げてもらえるのか尋ねました。すると総務部長は、「ウチは、課長と部長の間に次長というポストがある。もし、今後1年間、キミの仕事ぶりが高く評価される内容であれば、入社1年で総務部の次長へ昇進することは可能だと思う。次長ならば、年収は750万円を超える。」と言われました。ここで妥協してしまうと、評価基準を知らされないまま承諾してしまうことになり、1年後に昇進させるほどの仕事ぶりではなかったと言われて年収とポストを据え置きにされてしまいます。私は、具体的な評価基準を尋ねました。すると、目標管理制度を導入しており、半年ごとに人事評価が実施され、年2回の評価を勘案して、年に1回人事が実施され、昇給や降給が実施されるとのことでした。

私は、少し考えて、ここが妥協点かと思いました。そして、課長職で年収650万円ということで了承しました。650万円でも年収は50万円増えますから、上出来です。また、上場企業には給与テーブルや給与関係の規則も制定されていますから、無理は言えません。なお、私からは、今後一生懸命働き会社に貢献するつもりなので次長職への昇格は事実上の確約ということで了承していただきたいと念を押し、総務部長も口頭で了解してくれました。

私は、「いま話したことを書面にすることは可能ですか?」と試しに聞いてみましたが、さすがにそれは無理でした。ここで、条件交渉は決着し、その場で私は携帯電話で人材紹介エージェントに連絡し、エージェントの担当者からも了承を得ました。1ヶ月後、私は総務課長として入社しました。

それから1年間、私は必死に働きました。これなら会社は、自分を次長へ昇進させざるをえないだろうというくらい働きました。そして、私は1年後、総務部の次長へ昇進し、年俸は770万円となったのでした。